管理栄養士国家試験対策講座(第24回国家試験問題解説)

74 (1) 容器包装や環境問題についても、自分なりの整理が必要。

aダイオキシンは、分子構造から考えても、非常に脂肪に溶けやすく、魚、肉、乳製品

 卵などに多い。日本においては魚からの取り込み量が多い。

bカネミ油症は、米ぬか油に混入したPCB(とは何か?)が原因だった。

c設問は「ヘテロサイクリックアミン」が正しい。が、いやらしい問題。。

dアフラトキシンの分解温度は300℃であり、一般の加熱調理温度では分解しない。

  

75 (5)ちょっと細かい質問が多い。消去法かな。

aフタル酸エステルはポリカーボネートではなくポリ塩化ビニルの可塑剤として使われている。

bポリエチレンテレフタレートは、熱硬化性ではなく熱可塑性樹脂。PETボトルの原料。

  

72 (3) 食中毒問題は、繰り返しいろんな角度から出題される。

(1)ボツリヌス菌の発育下限は、たんぱく分解菌でpH4.6、たんぱく非分解菌(毒素型B,E,F)

 でpH5.Oである。pH6.5はどちらも増殖する。

(2)黄色ブドウ球菌毒素エンテロトキシンは、100℃,30分間の加熱でも不活化しない。

(4)カンピロバクター食中毒の潜伏期は一般に2〜5日と他の細菌性食中毒菌に比し長い。

(5)腸炎ビブリオは、3%程度の塩化ナトリウム溶液で最もよく発育する。何しろ、海産魚

  の表面にいる菌だから!逆に、淡水ではほとんど生育しない。

  

73 (5)「水分活性」は、食品学では最重要キーワードの一つ。

a Trp-P-1は、腐敗ではなくトリプトファンの加熱によって生じる。

  ニトロソ化合物とは?アクリルアミドとは?アクロレインとは?....

b 結合水量ではなく自由水量が正しい。これを間違えたら大問題!!!

  

70 (5) 成分表については、いろいろな角度からえぐられる!

(1)一般成分とは、水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分の5成分をいう。

(2)大豆製品の主要なものは「日本人における利用エネルギー測定調査」に基づくエネル

 ギー換算係数を適用してエネルギー値を算出する。

(3)当然のことだが、炭水化物の中で、食物繊維は別項目として収載されている!

(4)脂肪酸は飽和,一価不飽和,多価不飽和およびn-6系,n-3系に分けられている。

(5)科学的には、Oは分析をして最小記載量の1/10未満または検出されなかったもの。Trは

 分析をした結果、含有されているが最小記載量に達していないもの、(O)は未測定だが

 文献等により含まれていないと推定されたもの、(Tr)は未測定であるが文献等により微量

 含有されていると推定されたもの、−は測定していないものである。(Tr=Trace)

71 (1)食中毒についても、非常にややこしいので自分で整理しておくこと!

bノロウイルスはヒトの腸内管でのみ増殖し、排泄される。cノロウイルスの不活性温度は

85℃、1分間、70℃、5分以上の加熱が必要である。 d小腸に炎症を起こし、腹痛、下痢の

発症がある。胃の運動神経の低下・麻痺が起こり、嘔気、嘔吐が起こる。嘔吐は子供と高齢

者に多く、下痢は成人と高齢者に効率にみられる。

  

67 (1) 電子レンジや電磁調理の問題は多い。きちんと理解する!

(2)強制対流式オーブンが正しい。  (3)ほうろう鍋も使用できる。ほうろう鍋とは?

(4)ステンレスよりも、鉄の方が熱伝導率は高い。 (5)電磁調理の原理は、磁力線が鍋底

に誘導電流(うず電流)を起こし、電気抵抗により発熱することによる。

68 (5)ゾルとは?ゲルとは?物質の三態とは?HMペクチンとは?架橋構造とは?

(1)ゲル強度が弱くなるが正しい。 (2)離漿を抑制するが正しい。

(3)融解温度が低いが正しい。 (4)設問は逆で、LMペクチンがCaイオンでゲル化する。

(5)カラギーナンは不溶性だが、加熱により溶解し冷却するとゲルになる(熱可逆性)。

  

65 (4)酸化とは?ブランチングは?最大氷結晶温度帯?CASって何?

(1)酸素を入れたら酸化する!酸素を窒素に置換することにより、酸化防止を行う。

(2)冷凍焼けを防ぐには、食品の表面を氷衣(グレーズ)で覆う方法がとられる。

(3)パーシャルフリージングは、もうちょっと低い温度帯(-2〜-5℃)である。

(5)Aw0.75以下であれば微生物は増殖しにくいのであって、しない訳ではない。

66 (5) 閾値とは?相乗効果?そもそも5原味とは?

a味やにおいに対する感受性は年齢によって異なる上、経験等も嗜好性に影響を与える。

b対比効果が正しい。 d液体のほうが呈味物質の味蕾への接触が容易,だから...

  

63 (4)κ-カゼインとは?ミセルとは?エマルション?ゲル?ゾル?.....

(1)グリシニンが正しい。グリアジンは小麦の主なたんぱく質である。

(2)アクトミオシンが正しい。 (3)アガロースとアガロペクチンが正しい。

(5)イヌリンではなく、コンニャクマンナン(グルコマンナン)。

64 (5) トランス脂肪酸とは?エージング?硬化油?水素添加?.....

(1)エージングではなく、低温下で夾雑物を除去するウィンタリング(脱ロウ)。

(2)ビタミンCではなくビタミンEが含まれている。 (3)オレイン酸が最も多い。

(4)バターではなく、マーガリンやショートニングの製造に使われている。

  

61 (4) アレルギーや表示関連問題は、整理記憶!

(1)さばは、アレルギー食品として表示が奨励!されている食品。

(2)特定原材料として、卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かにの7品目が定められている。

(3)落花生は、表示が義務付けられている特定原材料。(5)品質が急速に(おおむね5日以内)劣化

 しやすい食品には消費期限が用いられるが、それ以外には賞味期限が用いられる。

62 (5) 一つひとつが、整理記憶対象!ただ、この問題は消去法でも解答にゆきつくかな。

(1)冬採りの方が多い。ほうれん草の旬は冬!。 (2)日光を遮って育てた玉露の方が多い。

(3)秋獲りの方が多い。  (4)養殖の方が多い。 (5)ホルスタイン種は乳量が多く、乳脂肪率

 が低い。ジャージー種は乳量は少ないものの、乳脂肪率が他の品種より高い。

  

59 (4) この手の問題は、自分なりにきちんと整理することが必須。

 (1)特別用途食品には、許可基準型と個別評価型があるが、特別用途食品の場合、

 殆どが許可基準型で、個別評価型には、病者用の一部と特定保健用食品が含まれる。

 嚥下困難者用は、許可基準型である。

 (2)特別用途食品は、健康増進法に定められている。

 (3)乳児用調整粉乳は特別用途食品であるため、消費者庁の許可を受けなければならない。

 (5)特別用途食品は食事療法の素材として適するものであって、疾病の治癒や予防に適す

  る旨の表示はできない。食品と医薬品は全く別物。

60 (2)

 (1)身体の構造と機能に影響を及ぼす旨の表示はできない。

 (2)食品なので、含有量表示はもちろん可能である。というか、表示しないといけない。

 (3)体験談は、科学的根拠(エビデンス)でない。(4)疾病予防に関する表示はできない。

 (5)動物実験とヒトでの臨床試験は,代謝系が同等ではないため、動物実験で明らかにされ

  ても、ヒトにそのまま応用できるとは必ずしも限らない。

  

57 (2)

 aアミロース20%・アミロペクチン80%のうるち米と比べて、アミロペクチン100%のもち米は

老化が進みにくい。分子構造上アミロペクチンは分岐しているからね、イメージしましょう。

 bO〜4℃付近が最も進みやすい。  d30〜60%の状態が最も進みやすい。

  

58 (2)覚えるしかない問題。そもそも、ビタミンって何!

 (1)設問内容は、ビタミンAではなくビタミンEのもの。

 (3)設問内容は、鉄ではなくカルシウムのもの。

 (4)設問内容は、銅ではなく亜鉛のもの。

 (5)設問内容は、ナイアシンではなくビタミンDのもの。

  

55 (4) この手の問題は、覚えるしかない!

 (1)トレハロースは、グルコース2分子がα-1,1結合した二糖である。

 (2)スクロースは、グルコースとフルクトースが結合した二糖である。

 (3)マルトースは、グルコース2分子がα-1,4結合した二糖である。

 (4)ラフィノースは、スクロースにガラクトースが結合した三糖である。

 (5)シクロデキストリンは、6〜8分子のグルコースが、α-1,4グルコシド結合により環状に

  結合したオリゴ糖である。

56 (5)

 (1)分枝(分岐鎖)アミノ酸であるバリン・ロイシン・イソロイシンの側鎖には、アミノカルボ

  ニル反応に必須であるアミノ基はない。これは難解!消去法かな。

 (2)ポリフェノールオキシダーゼは、酵素的褐変に関与する酵素である。アミノカルボニル反応

  は非酵素反応。これは簡単だろう。  (3)アマドリ転移は、反応の初期段階に起きる。

 (4)水分活性がO.2というのは、ほぼ水がない状態を意味し、完全な乾燥状態では、アミノカル

  ボニル反応は起こらない。さきほどの合格講座で言ったよね。

 (5)亜硫酸塩は褐変の中間体として生ずるカルボニル化合物を捕捉するため、褐変を抑制できる。

   しかし、ちょっとえぐりすぎではないか。消去法だね。

  

53 (4)

 (1)煮魚の煮こごりは、コラーゲンが溶出して変性し、ゼラチンゲルになったもの。

 (2)魚類のアミノ酸スコアはほとんどが100だが、マダイやサバはトリプトファンが

  制限アミノ酸になっている。この手の問題は、覚えるしかない。

 (3)グリコーゲン含量は、赤身魚よりも白身魚のほうが当然のように多い。

 (4)産卵前には脂肪を蓄える傾向にある。たとえば、秋刀魚!

 (5)K値は魚介類の死後、ATPの分解最終産物によって計算され鮮度の指標となるが、

  細菌汚染とは全く無関係である。これを間違ったら困るね。

  

54 (4)

 (1)アリイナーゼではなく、ミロシナーゼが正しい。 講義で何回言っただろうか。

 (2)ミロシナーゼであるはずがなく、リポキシナーゼが正しい。

 (3)スクロースの甘味度は温度に影響されないが、フルクトースは冷やすと甘味度が増す。

  果物はなぜ冷やして食べるのか!思い出しましたか。

 (5)クルクミンはポリフェノールの一種だが、フラボノイド骨格を持たない。

  

51 (3)

 (1)さつまいもの最適貯蔵温度は15℃付近である。10℃以下では低温障害を起こす。

 (2)こんにゃくいもは、茎の一部が肥大した塊茎である。では,さつまいもは?

 (4)イヌリンが正しい。グルコマンナンはこんにゃくいもの主要多糖で人は消化できない。

 (5)皮膚にかゆみを与えるのは、シュウ酸カルシウムである。青酸配糖体とは、アミグ

  ダリンなどの自然毒。よもやの勘違いをしないように。

  

52 (2)

 (1)マンニトールが正しい。マンノースは、アルドヘキソースに分類される単糖の一種。

 (3)アルギン酸ソーダにカルシウムイオンを加えるとゲル化する(設問の文章は不正確!)。

 (4)こんぶの旨味成分は、グルタミン酸(アミノ酸)である。イノシン酸は核酸系。

 (5)寒天を加熱すると溶ける。これを冷却すると当然のように固化する。

  

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