問題60 CODEX(コーデックス)委員会についての記述である。正しいものはどれか。
CODEXとはそもそも何か?ここから調べる。そうすると、(a) (b) は正しい。
(c) 国際的な企業の利害調整をすることが目的であったりしたら、そもそも食べ物の問題
としておかしいだろう。正確には「食品企画の国際的な整合性を保つ役割を有する」
(d) 医薬部外品の規格を策定する、などという文言も食べ物の問題としておかしい。
栄養表示や健康強調表示などに関する検討が行われる。
問題75 遺伝子組換え食品の表示に関する記述である。正しいものはどれか。
(a) (c)は正しい。 (b) 遺伝子組換え大豆を用いて製造された大豆油などは、DNAおよび
タンパク質が除去分解されているとして「遺伝子組換え」の表示義務はない。
(d) 設問は、「表示義務がある」ではなく、現段階では任意表示となっている。
2010.1.15更新
問題73 牛海綿状脳症(BSE)についての記述である。正しいものはどれか。
(a) 最初のBSE感染牛は、イギリスで発見された。(b) 特定危険部位については、自分で
確認すること。(c) 異常プリオンタンパク質は、熱に安定。どころか、なかなか失活しな
いから困る!(d) 感染拡大に肉骨粉が関係したため、全面的に肉骨粉使用が禁止された。
問題74 食品添加物についての記述である。正しいものはどれか。
(a) 食品添加物は、食品衛生法に基づいている。JASは農水省である。
(b) 特定添加物は、厚生労働大臣管轄。農林水産大臣が指定するのはJAS。
(c) (d)の記載は正しいが、自分できちんと整理すること。例えば、栄養強化剤とは、
栄養成分強化のために使用される添加物で、ビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類など。
栄養強化を目的として使用した添加物は、表示が免除される。2010.1.8更新
問題71 生鮮食品の衛生管理に関する記述である。正しいのはどれか。
ISO 22000は、生鮮食品に適用できるが、いやな問題。一般生菌数が衛生指標にならな
かったら、何がなるというのか! K値が、食中毒菌汚染指標のはずがない。では何?
取扱者の健康管理は、立派に!?衛生管理に含まれる。従って、答えは1番。
老婆心ながら付け加えるが、こういう問題で不明な語彙が出てきたら、当然自分で!
調べないといけないね。例えば、糞便指標菌とは?腸球菌?グラム染色?などなど。
まあ、それは当然として、ISO 22000 の設問が嫌らしいので、消去法かな。
問題72 食に起因する健康被害の予防に関する記述である。正しいのはどれか。
(a) (d) は正しい。アニサキスって何?派生して、食中毒一般を整理すること。
煮沸処理程度の加熱でアフラトキシンが分解するはずがない。微生物汚染を防ぐための
加熱調理では、食品の中心温度を表面ではなく中心温度を指標とする。例えば75度C達温
など(パスツリゼーション)。 2009.12.28更新
問題69 日本人の食事摂取基準(2005年版)と日本食品標準成分表収載成分に関する問い。
この設問を解くには、まず食事摂取基準というものをしっかりとおさえる必要がある。
今現在は、2005年版だが2010年からは改定されることがすでに報告されている。設問は
2005年版ということなので、自分でネットなり図書館で確認すること!2010年版について
も同様。というか、すでに出されているので、24回国試に出るかも!
食事摂取基準で策定された中には、ビタミンの中でビオチンは収載されていない。
食事摂取基準で策定された微量元素の中で、クロム、モリブデンおよびセレンは収載され
ていない。(c) 食事摂取基準が策定されたミネラルは、マグネシウム、カルシウムおよび
リンであり、これらについては全て収載されている。(d) は○。
問題70 水産物の自然毒に関する記述である。正しいものはどれか。
(a) は○。 (b) 下痢性貝中毒の毒素は、貝ではなくプランクトンが合成する。ふぐ
(テトロドトキシン)も同じく細菌が作ったものの食物連鎖による生物濃縮なので、
(c) は○。 (d) シガテラ毒は、草食性魚の肝臓で作られるのではなく、草食性魚がある
種の藻を食べた後に毒化される。設問自体は難しいかもしれないが、文脈からも消去法
でも、正解にゆきつくのではないか。 2009.12.21更新
問題67 肉類の調理による変化の記述である。正しいものはどれか。
(c) (d) は正しい。(a) 緩慢凍結した肉類には最大氷結晶が多く発生している。よって
ドリップが発生するし、冷凍変性も起きやすい。だいたい「冷凍変性が起きない」など
という文言が正しい訳がない。「最大氷結晶生成温度帯」のジェスチャーを思い出す!
(b) しょうが汁の酵素作用により、肉質はやわらかくなるはず。設問は逆。
問題68 植物性食品の調理性に関する記述である。正しいものはどれか。
(c) (d) は正しい。(a)ほうれんそうのβ−カロテンに限らず、ゆでるとゆで汁に活性物
質が溶け出すので損失が大きい。(b) だいこんおろしのビタミンCが、時間経過とともに
増加する訳が無い。発芽中のもやし以外では、ビタミンCは殆ど減少の方向に進む。
じゃがいもなど、でんぷん中のビタミンCはある種のコーティング作用によって分解から
守られている、とも講義で言ったが、覚えていますか? 2009.12.14更新
問題64 微生物利用食品に関する記述である。正しいのはどれか。
食酢の製造に用いられるのは、乳酸菌ではなく酢酸菌である。 ビールでは、発芽麦芽
中のアミラーゼが糖化に使われる。ワインは単醗酵で、酵母が用いられる。 塩納豆の
製造には、納豆菌が使われた後に塩をまぶす食品もあるので、あやふや設問。消去法
で5ということにはなるだろうが,こういうあやふや問題は結構多いので、適宜消去法
なりでどちらがより正解に近いかを判断するしかない場合がある。というか、そういう
設問の方が多いかもしれない。活きてくるのは、5択問題のコツ、のようなものかな。
問題65 ゆでる操作に関する記述である。正しいのはどれか。
(a) (d) は正しい。(b) 山菜の軟化を促進するためには、米ぬかではなく、重そうのよ
うなアルカリ性の物質が用いられる。(c) たけのこのあくを除くために用いられるのは
重そうではなく、米ぬかか灰汁(あく)つまり草木灰の汁が多い 2009.12.8更新
問題62 水産物の加工品に関する記述である。正しいのはどれか。
アルギン酸は、てんぐさではなく褐藻類から製造される。 なまり節の製造にかび付け
は行われない。紛らわしいが、だからこそ出題される。(c) (d) は正しい。
問題63 牛乳に関する記述である。正しいのはどれか。
牛乳のカルシウム含量は、人乳に比べて3倍程度多い。 均質化処理でカゼインミセルが
崩壊したら大変!逆で、均質化(ホモジナイズ)はエマルションの安定化に寄与する。
コーヒー牛乳は「乳等省令」では乳飲料に分類されている。 牛乳のたんぱく質含量は
人乳の3倍程度! 牛乳と人乳の成分量を問う問題は多い。炭水化物以外は、おおむね
牛乳の方が多く含有している。紛らわしいからこそ出題される。答えは3番。乳等省令
については、適時?改正されたりするので要注意。リアルタイムでの確認作業が必須
だし、必ず目を通しておくこと! 2009.12.2更新
問題59 特定保健用食品の表示についての記述である。正しいものはどれか。
(b) の文脈に?との思いはあるものの、概ね正しい。(c) についても、設問の文章は
正しい。(a) は、動物での有効性のみならず、ヒトにおいての有効性こそが求められる。
(d) は、血糖値云々ではなく、「お腹の調子を整える食品」の中に、規格基準型の特保
が認められている。しかし、これらの法も順次改定されてゆくので、リアルタイムでの
確認が最重要!
問題61 食品添加物ならびにその表示についての記述である。正しいものはどれか。
(a)については、設問の文章は正しい。(b)も正しいが、静菌、殺菌、滅菌などをきち
んと識別できているか? (c)は、意味不明。正しくは、天然成分中の常在成分(ビタ
ミンやミネラルなど)の表示が免除されている、とすべきだろう。(d) は、加工助剤
がすっぽりと抜け落ちている。加工助剤について忘れたヒトは、まとめの講義でのキ
ャリーオーバーと併せてしっかりと理解しておくこと。
問題57 食品の嗜好成分に関する記述である。正しいのはどれか。
カテキン類は渋味だね、旨味はテアニン。ケルセチンは、玉ねぎの皮などに含まれ
る。コーヒーの苦味成分は当然カフェインだよね。 クルクミンは、ウコンの成分。
バジルは、シソに似た味でパスタなどに重宝する。ピペリンがしょうがの辛味成分で
あるハズがない。ピペリンはコショーの辛味成分。では、しょうがの成分は何?
で、答えは2番。この辺りは自分で整理して音読やリズムで覚えるのが早いと思う。
問題58 食品成分の機能についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
(b) カプサイシンは、副腎のアドレナリン分泌を促進する。アドレナリンというもの
がわかっていれば答えは歴然! (c) 難消化性オリゴ糖は、便秘を誘発する作用で
はなく逆に便通を良くするなどの三次機能(とは何か?)があるということで、特定
保健用食品に多く使用されている。 正答は(a) および(d) にならざるを得ない。
問題55 食品と水に関する記述である。正しいのはどれか。
電子レンジ加熱は普通の加熱とは根本的に違うという講義でのジェスチャー(Y)を覚え
ているかな?聞くではなく、ちゃんと見て聴いていれば思い出すハズ。水分活性とは
自由水の多さと同義。となれば、塩や砂糖添加で自由水が減る、ということは...
水分活性の問題は非常に多い。基本的な理解さえあればどんな変化球でも対応できる。
ハムには塩を加えるので生肉よりも自由水が減る、ということは.. グレーズについ
てもブランチングと合わせて何回も話した。最大氷結晶生成温度帯についても、全体
の中でベスト10に入るくらいに重要!と力説したハズ。ということで答えは当然2番。
問題56 食品中のビタミンに関する記述である。正しいのはどれか。
きな粉というのは、講義で見せたDVDあるいは製法から考えてもビタミンCは殆ど含
まれない。一方大豆などの乾燥豆にはビタミンCは殆ど含まれないが、枝豆というの
は若い大豆をさや付きのまま茹でたもので、若干のビタミンCが含有される。さらに
豆が発芽してもやしになると、豆成分中の糖がビタミンCに変化し長期航海や,普段
の調理の上でも非常に便利!という話もした。一つひとつ思い出せば、答えは出る。
精白というのは、穀類の胚芽などを除去する工程である。だから、精白米にはビタ
ミン類は殆ど含まれない。これも「全体食」つまり玄米。思い出しましたか。ビタ
ミンB群は豚肉などに多く含まれ、ことにビタミンB12は植物性食品には殆ど含まれな
い。葉酸の所在形態を問う設問はかなり難解。しかし、しいたけは天日干しした方が
ビタミンDが増える!という講義を思い出せば答えは5番となるのではないか。それに
しても葉酸の問いはイヤな感じだね。
問題53 大豆とその加工品に関する記述である。正しいのはどれか。
豆は、大きく分けると2種類あり、大豆型と小豆型がある!と講義で何回も言った
のだが、覚えているだろうか?前者はタンパク質と脂質が多く、後者にはおもに
炭水化物が多い。その大豆のタンパク質と脂質は何か?これらは教科書等で暗記
するしかないが、根っこは押えておくこと。 また、大豆のような植物性食品には
不飽和脂肪酸が多く,飽和は牛肉,豚肉に多いのだとこれも何回も力説した。豆腐の
製法は,普通はにがり(それは何か?)などを用いるが,グルコノデルタラクトンと
いう魔法のようなモノで、水増し豆腐ができる!とも力説したが覚えていますか?
すまし粉って何か?いやらしい設問だが文脈からでも解にゆきつくと思う。そして
湯葉や油揚げの製法は?と、考えてゆけば、正解は1番しかない。
問題54 タンパク質に関する記述である。正しいのはどれか。
一般に、変性したタンパク質は未変性タンパク質よりも酵素変化を受けやすい。
グリアジンは、アルコールに溶けるが水には溶けない。窒素係数は、タンパク質量
がだいたい16%ということから逆算した数値で、6.25くらい。設問は窒素係数に近
い数値で、タンパク質量とはほど遠い。ベータシートは代表的な2次構造。ではもう
ひとつの代表構造は?3次構造は4次構造は? となると、消去法によっても、答
えは1番となる訳だが、その変性に関わるタンパクは何?
問題51 フードマイレージに関する記述である。正しいのはどれか。
正解は、4番。フードマイレージは、飛行機の世界の言葉の転用。従って、定義は
量×距離ということになる。その定義から考えれば、簡単に正解に行き着くはず。
10年近く前に言われだした言葉が、国家試験問題に取り上げられるようになった。
飛行機のマイルは貯めたほうが嬉しいが、フードマイレージが大きいと、他国から
非難される傾向が強い。つまり、小さい方が良いのである! 食糧自給率の反対語
と言い換えても良いと思う。
問題52 穀類とその加工品に関する記述である。正しいのはどれか。
正解は5番。アミノ酸価については、暗記しかない。うるちともち米については
講義でもしつこく何回も言った。思い出して欲しい。小麦粉の等級を問う問題も
時々出題される。強力粉や薄力粉はタンパク質であるグルテン含量の多さで分けられ
るが等級はミネラルで分けられる。ややこしいが、ややこしい事項ほど出題される。
覚えるしかないね。とうもろこしのタンパクはゼイン。そしてその性質は....自分
で表を作るか何かして整理する必要があると思う。