12 食品の加工に伴う栄養素の変化に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) デンプンに水を加えて加熱すると、膨張して糊(のり)となる。この糊化デンプンは消化されやすい。
(2) 加熱膨潤したデンプンを放置すると、もとのデンプン構造に似た状態へ変化して水に溶けやすくなる。
(3) 食品の加熱による褐変によって、たんぱく質の栄養価は高くなる。
(4) 油脂を含む冷凍加工食品では、脂質の酸化は起こらない。
(5) ビタミンCは、加工保存中に分解されにくいビタミンである。
13 食品の加工保存法とその食品例である。正しいものの組み合わせはどれか。
a 噴霧乾燥――――粉乳
b 酢酸発酵――――ビール
c 糖蔵――――――ジャム
d 熱燻法―――――骨付きハム
(1)aとb (2)aとc (3)aとd (4)bとc (5)cとd
14 果実加工に関する記述である。正しいものの組み合わせはどれか。
a 果汁の製造には褐変防止のためのビタミンEが添加されている。
b ジャム類のうち果実の原形を残したものをプリザーブという。
c 混濁果汁を清澄化するために、ぺクチナーゼを使用する。
d さわし(渋抜き)柿の原理は、タンニンの水溶化である。
(1)aとb (2)aとc (3)aとd (4)bとc (5)cとd
15 水産加工品に関する記述である。正しいものの組み合わせはどれか。
a 塩辛は、魚介類の筋肉や内臓に食塩を加え、自己消化と微生物の酵素作用で作られる。
b たらこは、卵粒を分離して、塩蔵したものである。
c 海藻類由来の寒天やアルギン酸ナトリウムは、食品の抗酸化剤や保存料に使用されている。
d 水産缶詰には、水煮、油煮、トマト漬、味付け、かば焼き缶詰などがある。
(1)aとb (2)aとc (3)aとd (4)bとc (5)cとd
以上、2006.10.2更新.次回から第16回へ。
加工11 食品の加工操作に伴う栄養素の変化に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1) マメ科植物の種子の組織が損傷を受けると、飽和脂肪酸から過酸化脂質が生成される。
(2) 皮をむいたりんご、じゃがいもなどにみられる褐変反応では、ビタミン類やアミノ酸の分解も伴うため食品の栄養価は低下する。
(3) 糸引き納豆は、納豆菌の酵素により大豆組織やたんぱく質が分解されており消化されやすくなっている。
(4) 小麦粉に含まれるビタミンB1は、菓子製造に用いられる重曹により分解される。
(5) 魚介類冷凍品の品質変化には、脂質の酸化、たんぱく質の変性、肉質のスポンジ化、その他がある。
53 嗜好飲料に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) ココアの苦味成分の代表的なものは、タンニンである。
(2) コーヒーの苦味成分の代表的なものは、テオブロミンである。
(3) 緑茶のうま味成分の代表的なものは、カチキン類である。
(4) アルコール飲料は、酒税法で1%以上のアルコールを含有する飲料とされている。
(5) 炭酸飲料は、二酸化炭素(炭酸ガス)を圧入したもので、体内でのアルコール吸収を促す。
54 特別用途食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 特別用途食品は、乳児用、病者用などの用途に適する皆の表示をした食品であり、その表示については特に制限されていない。
(2) そしゃく・えん下困難な高齢者用の表示をした食品は、特別用途食品の一つである。
(3) 遺伝子組換え食品は、特別用途食品の一つである。
(4) 特別用途食品の−つである特定保健用食品においては、疾病の治療に有効である旨の表示が認められている。
(5) ナトリウム食品である減塩しょうゆは、その食塩濃度について、18%以下と定められている。
以上、2006.9.28更新
51 魚介類に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a まぐろ、ぶりなどの大型魚の脂質含量は、魚体の背部より腹部で多い.
b 春獲りのかつお(初がつお)に比べ、秋獲りのかつお(戻りかつお)のほうが脂質含量は多い。
c 五訂日本食品標準成分表によると、「さけ・ます類」に比べ、「たら類」でビタミンD含量は多い。
d 魚肉たんばく質は、畜肉たんばく質と比較するとアミノ酸スコアが低く、たんばく質栄養価の面で劣る。
(1)aとb (2)aとc (3)aとd (4)bとc (5)cとd
52 油脂食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)なたね油に含まれていたエルシン酸(エルカ酸)は毒性が問題とされたが、現在では品種改良によってわずかしか含まれいない。
(2)ヨウ素価が小さい油脂ほど、酸化されやすい。
(3)油脂食品を構成する多価不飽和脂肪酸の二重結合は、互いに共役している。
(4)コリンを含んだ代表的なグリセロリン脂質は、ジアシルグリセロールとよばれる。
(5)ケン化価の大きい油脂ほど、構成脂肪酸の平均炭素鎖は長くなる。
以上、2006.9.26更新
49 牛乳の成分に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 牛乳中の飽和脂肪酸含量は、不飽和脂肪酸より少ない。
(2) 牛乳のカゼインは、カルシウムと結合してカゼインカルシウムとなっている。
(3) 乳清たんぱくたんぱくたんぱく質の主なものは、カゼイン、β−ラクトグロブリンなどである。
(4) 牛乳の無機質含量は、カルシウムよりも鉄が多い
(5) 牛乳には、ビタミンB2よりもビタミンB1が多く含まれる。
50 鶏卵に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) たんぱく質含量は、卵白と比べて卵黄で多い。
(2) カルシウムとりン含量は、卵資と比べて卵白で多い。
(3) ビタミンB2含量は、卵黄と比べて卵白で多い。
(4) ビタミンCは、卵黄には全く含まれていないが、卵白には含まれる。
(5) コレステロール含量は、無精卵と比べて有精卵で低い。
以上、2006.9.23更新
47 食肉に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 食肉を食塩や亜硝酸ナトリウムで漬けこみ冷蔵するとミオグロピンがニトロソミオグロビンに変化し、鮮紅色を呈するようになる。
(2) 生肉の色は主にヘモグロビンによる。
(3) 食肉を切ることによって、ミオグロビンは酸素と接触・結合し、鮮紅色のメトミオグロビンに変化する。
(4) 食肉を放置することによって、ヘム中の2価の鉄が3価の鉄になり、褐色のオキシミオグロピンになる。
(5) ハムの加工では塩漬けを行うが、この際にβーカロテンを加え肉の発色を助ける。
48 肉の成分に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 肉基質たんぱく質にはコラーゲン、エラスチンが含まれ、その含量が多いほど肉質は柔らかい。
(2) 豚肉では牛肉に比べ、ビタミンB1含量が多いことが特徴である。
(3) 肉中の蓄積脂質の約50%がトリアシルグリセロールである。
(4) 魚肉のうま味に大きく寄与するのはグリコーゲン、グルコースおよび乳酸である。
(5) 骨格筋の死後硬直には、肉中のクレアチニンが関与する。
以上、2006.9.20更新
45 穀類に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 白玉粉はうるち米から、上新粉はもち米からそれぞれつくられる。
(2) たんぱく質のアミノ酸スコアは、そばよりとうもろこしの方が高い。
(3) たんぱく質含量は精白米の方が小麦粉(強力粉)よりも少ないが、アミノ酸スコアは精白米の方が高い。
(4) とうもろこしに含まれるゼイン(ツェイン)は、単純たんぱく質のグロブリンの一つである。
(5) 小麦粉グルテンは、グルテニンとグリシニンからなる。
46 果実に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a りんごやなしは、柑橘類に比べてビタミンCを多く含んでいる。
b 完熟果実の糖含量は、通常20%以上である。
c 未熟果実の不溶性ペクチンは、果実の成熟に伴い水溶性のペクチンに変わる。
d 果実の成熟に伴いクロロフィルが減少し、含まれるカロテノイドおよぴアントシアニンの色があらわれる。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
以上、2006.9.17更新
42 食品成分の酵素的変化についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 冷凍エビの黒変は、穀中のチロシンがチロシナーゼにより酸化されて、メラニン色素を生成するためである。
b 紅茶の赤色色素は、茶葉中のアントシアニンがポリフェノールオキシダーゼにより酸化されて生成する。
c 大豆の青臭い匂いは、リポキシゲナーゼにより生成した脂質ヒドロペルオキシドの分解物であるアルデヒドによる。
d ワサビを磨砕すると、アリイナーゼの作用により辛味物質であるイソチオシアネートが生成する。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
43 微生物に食品の劣化に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 日本では、生鮮食品に対する放射線殺菌が許可されている。
b 嫌気性芽胞薗は、食品中で増殖し、二酸化炭素、水素、酸素などから成るガスを発生する。
c 微生物の生育を抑制するために水分活性を低下させる方法として、同じモル濃度であれば食塩の方が
砂糖よりも効果的である。
d カビが生産する毒性物質は、マイコトキシンとよばれ発がん性などが問題となる。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
44 食品の物性に閑する記述である。正しいのはどれか。
(1) 白濁してみえる牛乳のコロイド粒子は、半透膜を通過することができる。
(2) 寒天、ゼリーやプリンは、ゾル状態の食品である。
(3) ソースやジュースのように、液体に固体粒子が分散したものをエマルションという。
(4) マヨネーズや生クリームは、外力を除いてももとの形に戻らない塑性流動を示す。
(5) 食品の物理的特牲を示すテクスチャーは、そしゃく・えん下しやすさとは関連しない。
以上、2006.9.14更新
39 脂肪酸についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 水素添加などの油脂の加工中に生成するトランス型のリノール酸は、必須脂肪酸として働く。
b 飽和脂肪酸のうち炭素数12個以上のものは、常温で固体である。
c n−6系の不飽和脂肪酸とは、メチル基側から数えて最初の二重結合を構成する炭素が6番目のものをいう。
d ヒトの体内では、リノール酸からドコサヘキサエン酸を合成することができる。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
40 無機質に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a カルシウムは、小魚類や牛乳、乳製品などに多く含まれる。
b ヨウ素は、海藻類に多く含まわ、体内で副腎皮質ホルモンの合成に利用される。
c 亜鉛は、肉類や貝類などに多く含まれ 欠乏すると味覚障害などが起きる。
d カリウムは細胞内に多く含まれるが、果実類は例外で含量が少ない。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
41 ビタミンに関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a ビタミンAは、うなぎやあなごに多く含まれる。
b ビタミンD3は、体内に吸収後そのまま作用する。
c ビタミンB2は光に安定で、アルカリ性でも酸性でも分解されない。
d 体内で必須アミノ酸のトリプトファンは、ナイアシンに一部変換され利用される。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
以上、2006.9.12更新
37 五訂日本食品標準成分表のエネルギーに関する記述である.正しいものの組合せはどれか。
a 収載している食品で、エネルギー換算係数が定められている食品についてはその値を採用している。
b アルコールおよび酢酸は、エネルギー換算係数をOkcal/gとしている。
c エネルギーの単位はkcalとkJの併記である。
d kcalからkJへの変換式は、1kcal=8.348KJである。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
38 水分活性についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a アミノカルボニル反応は、中間水分活性値付近で最も起こりにくい。
b 食品に食塩またはショ糖を同モル濃度になるように添加した場合、食塩を添加した食品のはうが、低い水分活性値を示す。
c 脂質の酸化は、水分活性が低下すると起こりにくくなるが、水分活性が極めて低い場合には、逆に起こりやすい。
d 水分含量が異なる食品の場合、同じ水分活性値を示すことはない。
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
以上、2006.9.7更新