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長崎市観光2006アクションプラン
<中間提言の要旨

1 はじめに
観光は長崎市にとってまちのシンボルである。経済的にも、産業の重要な一翼を担っており、今後も成熟社会における有力な産業である。
しかし、高度成長とともに拡大してきた観光市場は、バブル崩壊後横ばいからやや下降してきており、長崎市においても平成2年をピークに減少傾向が続いている。今後の経済状況にもよるが、国内旅行市場は人口の減少や海外旅行との競合、交流人口拡大を目指した全国総観光地化の動きなどにより、競争が激化していくと考えられる。
こうした中で、旅行ニーズも変わりつつある。「見たことのないところへ行きたい」という白地図を塗りつぶしていくような旅行がなくなることはないが、今まで国内旅行市場の中核を担ってきた有力大型観光地が全国で苦戦している。従来型の観光の延長では、長崎市の観光も苦戦を強いられると考えられるが、新たな観光の流れに対応できる可能性を秘めた資源を豊富に有しており、取り組み次第で観光のトップランナーの地位を持続することができよう。
おりしも、2006年までには、女神大橋の開通や長崎水辺の森公園などのベイエリア、美術館・博物館などの文化施設など、ハードの整備が完了する。これを機に、港を中心に特異な発展を遂げたまち長崎が持つ豊富な資源を再発掘し、より奥深い長崎の魅力を全国に発信することで、「観光都市 長崎」の新たな発展を目指すべきである。
また併せて、長崎市民が自らのまちに誇りを抱き、楽しむことができるまちを創造するため、「長崎市観光2006アクションプラン」を策定する。

2 長崎観光の現状について<省略>

3 アクションプラン策定に向けて

(1)基本理念は「まち活かし・ひと活かし」
2006年までに完成する博物館、美術館、女神大橋などの大型施設を含め、長崎市には魅力的な資源が多い。それも史跡、食、祭り、西洋文化、中国文化、港、夜景など実に多面的である。
それらの魅力を活かし、観光客や市民に伝えていくためには、さまざまなソフトの充実が必要となる。まさにハード整備を重視とした「まちづくり」から、長崎の文化、歴史、自然、人などの良さを知り、活かしていく「まち活かし」「ひと活かし」への転換がいま求められている。

(2)コンセプトは「まち歩きが楽しくなる仕組み・仕掛けづくり」
この理念を具体化するために、「まち歩きが楽しくなる仕組み・仕掛けづくり」をアクションプランのコンセプトとする。「まち歩き」には、以下のような意味が含まれている。

@ わたしたちのまち・長崎を「これまでのように駆け足ではなく、歩く速度や視点でみてほしい」という意味。「短時間に効率よく回る観光」に対し、急がず時間をかけて過ごす"スローツーリズム"の発想である。
A 長崎のまちなかは知的好奇心を刺激する資源が豊富で、短時間では味わいつくせない。「宿泊してゆっくり堪能してほしい」、「次回も違う楽しみを見つけに来てほしい」という願いである。
Bまちなかを歩き、路地に入り込み住民と話すことで、まちの生活文化に触れることができる。見るだけの観光も必要だが、長崎の魅力を"体感する"という新しい楽しみ方を知ってほしいという意味でもある。

まち歩きは、以下のように、長崎の個性を活かして新たな観光ニーズに応えるほか、地域の活性化を促すことができる。

@長崎の個性と長所が活きる
他地域にない独特で多様な歴史文化資源が多く、これらが旧市街地を中心としたヒューマンスケールのエリアに集中している。このため、徒歩や公共交通機関で気軽に廻ることができるし、親切さに定評のある長崎市民と出会うことで、より印象に残る。

A新たな観光ニーズを受け止めることができる
思い思いにまちを歩き、文化や人との出会いを楽しむ「まち歩き型観光」は、史跡景勝を巡る観光では物足りない層のニーズに応えることができる。また、自分の住む地域とは別の日常を体験したいという志向の高まりにも対応できる。特に、知的好奇心と行動力の豊かな「団塊の世代」が定年を迎える中、歴史文化を中心とする知的資源の多い長崎の特性を発揮することができる。

B 連泊型あるいはリピーター型の観光につながる
交通網の発達により「日帰り観光」が日常的になり、宿泊は減少傾向にある。長崎のまち歩きは、そのテーマが多くの分野にわたり、史跡などの数も多いため、魅力的なコースやツアーを設定することで、連泊やリピーターの増加によって経済効果が期待できる。

C 地域が活性化する
観光客がまちなかに出ることで交流が生まれ、市民も自分のまちを知り、誇りを持ち、きれいにしようという意識が高まる。また、宿泊のほか、商店街で買い物をする人も増えるなど、地域の活性化につながる。

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       NPO法人 長崎コンプラドール