福山雅治・稲佐山LIVE
15000人の歓声、ありがとう。一振りごとにわきあがる喚声を想い出しながら、2000年6月
18日、長崎稲佐山での福山雅治さんと龍踊(じゃおどり)のことを報告します。 福山さんが稲佐山で龍踊をやりたいらしいのだが可能ですか?福山さんが龍の頭を持って、
アンコールの頃に3〜5分間、練習は前日の夜にお願いしたい。という連絡を受けたので、「福 山さんは玉使いが良い、自由に動き回れるから。龍踊を3〜5分間にまとめることは可能、練 習は長い方が良いが与えられた時間でベストを尽くしましょう。」と引受けました。 いよいよLIVE前日、リハが終り龍踊の練習開始。まず挨拶『よろしく!』 玉使いの基本を指
導、『こんな感じかな?』 初めはぎこちないが、すぐに動きがスムーズになる。『すこしつかめ たかな』 ステージに移動して龍踊稲佐山バージョンを説明、手本を示す。雨とスペース不足、 うごきづらくかなりきびしい。スタッフの方にモニタースピーカー等を移動していただく、スペース 広がり感謝。福山さんに入ってもらい、本来後向きの玉使いの動きを前向きにアレンジして、 特訓開始。『流れがつかめない、もう一度』繰り返し練習、『振り出す位置はどこから?』だいぶ 形になりだした時、明日の準備の為にタイムアップ、『これではヤバイ』 急遽明日サウンドチェ ックの後に龍踊練習決定。夜の間に龍囃子の難問もスタッフの方の努力で解決される、音の 不安無くなり感謝。 LIVE前の貴重な時間を割いてもらい再び龍踊の練習を繰り返す。『切替えのタイミングは銅
鑼の音ですね』 福山さんのこの言葉には非常に驚きました、その理由を詳しく説明しましょ う。玉使い福山さんに途中で声をかける幾つか切替のタイミングがあります。それは、とぐろを 巻いた後玉が外に隠れる、玉の上下の移動、玉が見つかる、玉の振り始め、このような演技の 切替えのキッカケを私達はすべて龍囃子の銅鑼の音で行っています。そのことは全く福山さん には話していませんでしたが、理解されたのですから、ビックリしました。今まで十数年間何百 回と龍踊を指導しましたが、短時間しかも説明無しで理解されたのは福山さん唯一人です。さ すがミュージシャン、音に関してすごい感性をお持ちです。見抜いてしまわれました。練習終 了。「福山さん背筋を伸ばして、玉を高く突き上げてください、それでOKです」 『俺、猫背だから それは無理だ』 LIVEスタート、熱唱、あっという間にラストの曲、そしてアンコールの声。PAから龍囃子が流
れ、玉使いの衣装を着た福山さん、玉を持ち龍踊を従えて登場。大歓声、稲佐山が揺れる。と ぐろを巻き玉が外に隠れる、ピンと客席に向かった姿は絵になる、玉の上げ下げの度にわき おこる声援とため息、こんなに色気のある玉使い今まで観たことが無い、千両役者。さあ玉が 見つかり玉を振り始める、高く振上げビシッと決まる、一振りごとに歓声のボリュームが上が る。福山さんの動き滑らかで流れるようだ、龍囃子に合せてノリがある。胴体をくぐり抜けて、ラ ストの決めのポーズ、整列、『これが龍踊だー!』 福山さん有難う御座います、貴重な経験をさせてもらいました。スーパースターの発するオーラ
五感で感じさせてもらいました。素晴らしかった稲佐山LIVEでの龍踊でした。 (ぜっと屋 河野 謙)
福山雅治さんのオッカケNo.1はオレだ!〔ある日龍踊アトラクション控室での会話より〕
浦君、福山雅治さんの"オッカケNo.1"だと主張しているようだね。
「だって、福山さんが玉使い、オレが頭使いで龍踊を演じたのですよ、当然っすよ」
それだけでは、ピンとこないよ。もう少し詳しく説明してもらわないと、福山さんの"オッカケNo.1
"だなんて誰も認めないよ。 「ハイ、それではよく聴いてください、詳しく説明します。龍踊では、龍の頭は玉を追いかけます
よね、これ"オッカケ"でしょう?」 なるほど、そういう解釈も出来るね。
「えぇ、それにオレの場合は他のオッカケの方と違って、スタッフや関係者に止められることも
無く、ステージの上で堂々とオッカケをしたんですねぇー。」 何か誤解しているような気がする。
「ラストには福山さんが持つ玉に巻きついて捕まえたじゃないですか。福山さんを捕まえたんで
すよ。パーフェクトなオッカケでしょ?」 これは見事なヘリクツだね。
「イヤー、他のオッカケの人には悪いけれど、オレ絶対、福山雅治さんの"オッカケNo.1"っすよ
ー!」 なんだかうまく丸め込まれてしまったような…、稲佐山うらばなし〔浦話〕でした。
僕は福岡から長崎の大学に来て、龍踊を操れたことだけでも十分満足していたのに、長崎
の代表的な歌手である福山雅治さんのコンサートで、福山さんとともに龍を振ることができ、本 当に感動しています。長崎の文化である龍踊が出来て良かったと心から思いますし、多くの人 に龍踊を好きになってもらえたかなと考えています。そして、龍踊をこれから先もずっと伝え残 し続けて欲しいと思っています。 (2000年11月 浦 智之)
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