水族館などの閉鎖に思うこと

 長崎水族館が閉鎖されるという。先にも福田の遊園地

が閉鎖された。一民間施設だから仕方ない、といえるか

もしれないが、どうも気になる。長崎の場合、ハウステ

ンボスというビッグなテーマパークがあるが、逆にこの

ために、グラバー邸などの集客力が落ちてきつつあるの

もまた事実。ハウステンボスまでは旅行客は来るが、そ

の後福岡などに散ってしまう。長崎の景気浮揚や、活性

化が叫ばれ、その起死回生の一手が長崎新幹線あるいは

長い目で見れば諌早干拓と県はみている。しかし、本当

にそれらの施策で先の目的が達成されるのだろうか。も

っと、足元を見た計画も必要と思う。子どもの遊園地と

簡単に見ていると、それこそ足元をすくわれるのではな

いか。民間経営が無理ならば、公共施設にするという方

法もあるだろう。他県では、こういった施設は半官半民

の場合も多い。なにしろ、普通に生活するうえで、新幹

線などはあまり必要性を感じないが、遊園地などは生活

の潤いという点では非常に大きい面があり、ひいては、

県全体の沈滞化防止にもつながるものと考える。福岡に

客を奪われる懸念のある新幹線に巨額の金をつかうより

も、ずっと安上がりで効果的と思える。

1997.7.22掲載