一人当り、四百万円を超すという。そして、さらに公共
投資という名の、各種法人および利権に群がる政治屋を
太らす目的がぷんぷん匂う歳出が堂々と組まれようとし
ている。その歳出を組むのは、その借金を払う世代では
ない。払うのは、まったくその意識もない青少年および
子供である。どこの世界でも見られるが、施策を決定す
る人種とその策で苦楽を味わうのが違うことに大きな問
題があるように思う。先日もテレビを見ていたら、あ
る政治家が出演し、あろうことか「郵便貯金残高は、
千二百兆円あるのに、何をそんなに騒ぐか」と言ってい
た。政治家の発言にはときに驚愕することが多いが、こ
れにはまさに開いた口が塞がらない。どういう意味か、
郵便貯金を凍結でもしようというのであろうか?戦中に
もこういったことが行われたらしいが、それが今後もし
行われるとしたら、これはもう民主国家とは言えない。
また、「約束は守らねばならない、銭金の問題ではない、
私がやる」とも言っていた。整備新幹線を含めた公共投
資である。これこそ銭金の問題ではないか。借金を払う
のは俺ではない、という意味の発言には国民はもっと
注目すべきではなかろうか。 平成9年2月14日掲載