良くも悪くもこれがニッポン

 最近、日本という国がどうも判らない。先

のインドの核実験ではかなり強硬に抗議し、

制裁さえ行っているが、アメリカの臨界前核

実験には「遺憾の意」の表明だけだった。制

裁にしても、アメリカがやるからであり、こ

れでは、まさにアメリカ追従、弱い国には強

いニッポンという図式だ。また、何か事件が

あるとすぐに「それはいかん」ということで

全てが悪平等というか基準値のように定めら

れてしまう。ナイフで人を刺すから全て禁止

売ってもいけません!しかし、以前は肥後の

守で鉛筆を削っていたが、そんなことはなか

った。頭隠して尻隠さずに思える。そして、

何事も前例が全て。これがないとことは前に

進まない。官僚機構がそのまま日本人の国民

性になってしまったかのようだ。

 一方、日本が空前の不景気にあえいでいる

かと思えば、海外の純資産が、二位のドイツ

を十二倍引き離して世界一という(百二十四

兆五千億円)。日本が不景気でも、お金はち

ゃんと有るところには有るらしい。

 いったい、この国はなんなのだろうか?

良くも悪くもこれがニッポンということだろ

うが、十年二十年後が不安になってしまう。

長崎新聞5月27日掲載