○昨今は、食に関する番組や本や記事が非常に多い。これに関する分野で教えている身としては、大変
ありがたいことである。しかし、若干思うところも多い。一つひとつの番組や記事は、確かにその通り
であろう。多少の誇張はあっても、うそ八百ということはないと思う。ただ!日々報道されることを、
一々鵜呑みにして、あっこれも食べなきゃ!あっこれは良くない!などと右往左往しているヒトも多い
のではなかろうか?日々普通に食べていて、極端に栄養が偏るということは、一般には起こりにくい。
仮にコンビニ弁当ばかり、であってもである。しかし、そこに「偏食」がプラスされ、毎日まいにち
同じ弁当、ということになると、これは如何になんでも栄養が偏り、体調に変調をきたすことはあり得
る。要は、中学校で習ったようなおおまかな栄養に関する知識をベースに、バランスよく食べる!こと
をしている限り、大変なことにはならないのである。ただ、現代人の特色として、基礎代謝が落ちてく
る年齢になっても、若いころと同等のカロリーを摂り続けると、当然「太る」。さらに、昨今大流行の
サプリメントだ。これは食品に含まれる栄養成分を凝縮したモノだから、摂りすぎると当然弊害が発生
する。加えて、複数のサプリメントを服用することによる、いわば「複合汚染」。汚染は言い過ぎだが
あれもこれもと、多数のサプリメントを服用!すると、摂りすぎの栄養素と、場合によっては医学的に
危険な組み合わせだって考えられる。まとめると、 2006.9.1
1 適宜(適当でも良い)多くの食品をバランス良く!とること。
2 過剰に食に期待せず、日々の情報に左右されない(みのもんたの「おくさん!」など)
3 腹八分目と、軽い運動を心がける。
4 「あっ、今日はこれを食べてない!」などというストレスを自分に課さない。
5 「食事バランスガイド」および「継続は力なり」はキーワード
6 いい加減(良い加減)に適当に(^_^)ノ""
●日本人間ドック学会は、健康維持や病気予防に活用されてきた「人間ドック」を、世界に普及させる
運動を展開するという。日本では現在、年300万人が人間ドックを受診している。「人間ドック」と
いう言葉は、戦前の政治家が健康診断のために入院する際、「病気の治療ではなく、航海を終えた船が
ドックで点検を受けるようなもの」と説明したことをきっかけに生まれた。同学会によると、人間ドッ
クのような健診制度は日本独特のものという。米国では健康保険会社が加入にあたって「ヘルスチェッ
ク」を実施するが、継続的な健康管理には活用されていない。一方、韓国や中国などアジアでは、日本
人ビジネスマンの増加に伴って「人間ドック」導入への関心が高まっているが、内容が不十分という。
「人間ドック」にあたる英語もなかった。奈良理事長は「ジュードー(柔道)やカラオケのように、
『ニンゲンドック』として世界に広げ、世界どこでも健康を維持するために活用できる仕組みとして認
知してもらいたい」と話している。関係者は「ニンゲンドック(NINGEN DOCK)」を世界共
通語にしようと意気込んでいる。毎日新聞 2006年8月19日
○早食いをすると、それだけで肥満を招きやすくなることが、名古屋大グループの調査でわかった。早
食いで太るのは、満腹感を感じないうちに食べる量が増えてしまうのが主因だと考えられてきたが、ゆ
っくり食べる人たちと同じ量をとったという前提で計算し直しても同様の結果だった。玉腰浩司・助教
授(公衆衛生学)愛知県内に住む35〜69歳の男性3737人、女性1005人から、身長や体重、
食事内容や運動習慣といったデータを集めた。グループは、エネルギー摂取と体重との間の既知の関係
式から食べる量の効果を消去。同様に運動習慣の効果も消し、純粋に食べる速さと肥満との関係を求め
た。早食いそのものが肥満を招く理由はまだよくわかっていない。早食いだと、エネルギーの取り込み
を促進するホルモン、インスリンが過剰に分泌される可能性などが考えられるという。
2006年08月12日朝日新聞
私も、最近とみに早食いになっている。だから、30年前と比べると20キロ増えた!のかな? 息子に
身長は越されたが、体重ではまだ15キロ以上オーバー。ゆっくりと、噛み締めて食べないと。。
●厚生労働省は、小林薬学工業が製造・販売したドリンク剤「新ベッセンアイ」から、水道水の安全
基準を上回る発がん性物質のベンゼンが検出された、と発表した。検出されたのはごく少量で、同省は
「安全性には問題はない」としている。同社はこの製品を自主回収するという。清涼飲料水などに添加
される安息香酸とアスコルビン酸が化学反応し、ベンゼンが生成されることが欧米で報告されたのを受
け、同省がこの2つの添加物を含むすべての医薬品を、国立医薬品食品衛生研究所(東京)で分析して
いた。「新ベッセンアイ」から検出されたベンゼンは平均15.4ppbで水道水の安全基準である10.0ppbを
わずかに上回った。ZAKZAK 2006/08/08
水に含まれる量と大差ないので、とりたてて心配することはないのだが、これは結構怖い。複合的に、
どんな反応が生じているか?やはり、こういった情報には目を光らせるしかない。 2006.8.8
○世界保健機関(WHO)が、紫外線を過度に浴びたことが原因で、世界で年間約6万人が死亡している
とする報告書を発表した。死者約6万人のうち、約48000人は、メラニン色素を作る細胞が、がん化す
る悪性黒色腫(メラノーマ)が原因で死亡、残る約12000人は、そのほかの皮膚がんで死亡していると
指摘。紫外線には体内でビタミンDを合成する効果などもあるが、こんな怖いこともある! 真夏の
日焼けはほどほどに(・`ヘ´・;)ゞ 2006.7.22
●糸井重里のホームページは、大変面白く、かつ内容が豊富である。その中でも「料理人の哲学」
とでも言うかな、箴言に富む言葉の数々。。 2006.6.12
○ニンジンは、ゆでて食べると、色素「ベータカロチン」の体内への吸収率が高まることが、伊藤園
中央研究所などの研究でわかった。ベータカロチンは紫外線から肌を守る効果があるとされ、これから
の季節、有効な調理法といえそうだ。研究グループでは、24?41歳の男性8人を対象に、生のニン
ジンとゆでたニンジンをそれぞれ200グラム食べてもらい、ベータカロチンの血中濃度を調べた。
その結果、ゆでたニンジンだと、生の場合に比べ摂取後6時間で平均1・4倍、8時間で1・6倍に達
していた。また、ゆでたニンジンを基に作った野菜果汁を飲んで、肌の状態を調べた別の実験では、
摂取後8週間で、13人の対象者全員のシミの面積が減少することが確認された。提坂裕子・同研究所
副所長は「ニンジンは、油で調理してもベータカロチンの吸収率は上がるが、油の取りすぎはいけない。
ゆでて食べることを、積極的に考えてほしい」と話している。(2006年6月9日?読売新聞)
●子どもたちが全員家を出て(家出じゃないよ!)夫婦二人になり、俄然野菜および魚料理が増えた。
家内が、おじいちゃんの介護をする中で学習したことを実践しているのである。結果、体脂肪が驚く
ほど減ったヽ(^。^)ノ 以前は、風呂の前後でずいぶん値が違って出ることがあったが、今はいつの
場合も以前よりも3%は低下した。これは嬉しい! 皆さんもぜひ(ノ^^)ノ (ノ^^)ノ 肉だってそこ
そこ食べているが、今までが肉中心で圧倒的に野菜と魚が少なかったということかな!?それと、私
はかなり減ったが、家内はそうでもない。。これは、たぶんあまり運動してないためだと思う。運動
も併用しないとダメということかな。。
○学生諸君にはあまり関係ないが、ある程度の年齢になると、基礎代謝量が落ち、今までどおりの食生活
なのに、何故だか最近太る?という現象が普通に発生する。この基礎代謝には、体の筋肉が関わるという
ことはおぼろげに知っていても、では基礎代謝とは?体の筋肉とはそして体脂肪って何?ではなかろうか。
体脂肪は、昨今は体重計に付随しているので、誰でも計ったことがあるだろうが、何だか一日のうちで
ぶれる?あるいは、風呂上りと前で全然違う?ということがあると思う。体脂肪計は、体の電気伝導度で
測定するので、服を着た状態やホンのちょっとしたことで結構ぶれてしまうのだ。下記の方法もあくまで
概算だが、体脂肪計よりもある意味正確と言える。大いに参考になるかと思う(^_^)ノ"" 2006.4.2
●たまごには、たんぱく質やカルシウム、鉄分など、ビタミンCを除くほぼ全部の栄養素が含まれている。
また、人の体内で作ることができない8種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいる、すばらしい食品
である。特に、たまごのたんぱく質は非常に良質で、たんぱく質の栄養価を表す基準では、最も優れた食
品とされている。ちなみに、たんぱく質を漢字で書くと「蛋白質」であり、この「蛋」という字は、中国
語で「たまご」を意味する。 こんなに優秀なたまごなのに、コレステロールが含まれているため、「た
まごは1日に1個しか食べてはいけない」といった誤解をした人が多い。これは、大きな間違いである。
たまごには、コレステロールを除去する作用のあるレシチンが多く含まれているため、毎日2個のたまご
を食べても、ほとんどの人が血液中のコレステロール値が上がらない、という研究結果が出ているのであ
る。(だいたい、肝臓では、せっせとコレステロールを合成しているのだから、摂取するコレステロール
のみカットしてもあまり意味はない。但し、コレステロールの上がりやすい素因を持つ人やアレルギーの
人、高脂血症の人は摂り過ぎには要注意!!)
○いくつかのテレビ番組で取り上げられ、今寒天が超人気である。私も、随分前から講義で言ってきた
が、テレビの威力には全く太刀打ちできない。昨今は、手に入れるのも大変だ。寒天は食物繊維が多く、
低カロリーというのは周知の事実。テレビでは食物繊維の栄養価以外の効果(生活習慣病予防など)も
とりあげられていた。以前、トマト寒天が流行ったことがあったが、ごはんと一緒に炊いたり、お茶に溶
かしたり、料理に混ぜたり。寒天レシピも多く紹介されていた。寒天を日常の食卓に取り入れることはお
勧めだが、とりすぎたり(粉寒天1日5g以上)「寒天さえとれば大丈夫」と勘違いしては、逆効果にもな
りかねない。何事にも、適量・バランスというものが必要である(^_^)ノ"" 2005.7.29
●見た目は多少悪くても、よく熟したバナナの方が免疫力を高める効果が大きいことが、帝京大薬学
部の山崎正利教授らの実験でわかった。山崎教授らはこれまで、バナナが果物の中でも特に免疫力を
高める効果が高いことを明らかにしているが、今回は熟成の度合いと免疫力の関係を調べた。
青いバナナを、店で売る場合と同様にエチレンガスで熟成処理し、皮全体が黒っぽくなる10日目ま
で、成分抽出液をマウスの腹部に入れ、免疫をになう白血球の数や、免疫を強める生理活性物質の量
を調べた。その結果、日数がたったバナナほど白血球を増やす効果があり、10日目のバナナは、初
日のバナナより白血球を5倍多くしていた。この日数は店で買ったバナナの「購入後8〜9日目」に
相当するという。生理活性物質は5〜7日目(店頭購入後4〜6日目)のバナナで最も増えていた。
スイートスポットも増えるし、頭に入れておいて良い知識だと思う。 (2005/4/2/読売新聞より)