テレビでは美しい日本語を

 短大で教育に携わっているからだろうか、最近若者の

言葉が気になって仕方がない。「××じゃないですか」

あるいは「××ですけど」で発言を終える言い方などで

ある。最初の言葉は、相手に肯定を強いているように感

じる。後者は、××だが自分はこうだ、ということでは

なく、言い切るのに自信がないので語尾を濁していると

いうことらしい。どこからきたのかと思えば、テレビの

女性レポーターが言いはじめたという。かつて、「だか

らー」と語尾を上げる耳障りな発音があったが、最近は

あまり耳にしない。こういった言葉にもはやりすたりが

あり、テレビが大きく影響しているのではないかと思う。

かっこいい、と耳に感じる言葉がはやり、テレビで使わ

れなくなると途端にすたれてゆくようだが、どうであろ

うか。私にも、まだ小学校だが子供が三人いる。この子

たちも、テレビや漫画の影響を大きく受け、先の言葉を

含め、ムカツクーなどと言うことがあった。その都度注

意したので今では使わないが、マスコミなどの影響はそ

れだけ大きいのである。正確な大和言葉を、いつでもど

こでも話しなさい、などとかたいことを言うつもりはな

いが、せめてアナウンサーやレポーターには、美しい日

本語を使ってもらいたいと思う。

1996, 4, 6掲載