お上のいうことには疑問あり

 また放射能漏れ、いや爆発があった。長崎は、原爆が

落とされた土地柄であり、また今や原子力発電が不可欠

ということで無関心ではおれない。こういった事故の度

に思うことだが、当局の発表がいかにずさんで、また、

いいかげんなものかがわかる。最初は、極力過小に発表

され、段々ことが明るみに出るにつれ事態は大きくまた

深刻になってゆくのが常である。よく言われる、緊急事

態に対する体勢、対策がなっていないし、またその時に

でもほとんど論じられないまま「まあそれは追って」で

済まされてしまい、また同じことが繰り返される。お上

の言うことを守っていれば大丈夫「寄らしむべし知らし

むべからず」がいまだに官僚機構の本質であるように思

えてならない。重油事故しかり、厚生省あるいは大蔵省

不祥事のときもしかりである。「お上」のいうことをす

べて守っていたら日本がどうなってしまうか、考えると

恐ろしい気さえする。行政改革とか、小さい政府とか、

政治家も官僚も口では言うが、根っこのところで国民不

在を感じるし、逆にそうさせてしまったのも国民に罪の

一端があるだろう。ではどうすれば良いか、これを常に

皆が考えることこそ、大事なことと思う。

1997.3.19掲載