「食と栄養」ワンポイント講座4

 100種類を超す「がん」の中で、胃がんは横綱格のがんだ。わが国のがん種類別の死亡順位による

と、男性では肺がんに次いで2位、女性では1位の座を占めている。 ここで驚くべきデータがある。

人口10万人あたりの各国の胃がん死亡率をみると、米国が約7人、欧州で10〜20人台なのに対し、

日本ははるかに高水準の約61人と世界最悪レベルにあるのだ。なぜ日本で胃がんが多いのか。その

理由は、近年注目されているピロリ菌、なかでも病原性が強い「超悪玉」のピロリ菌にあるらしい。

超悪玉ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムが、北海道大遺伝子病制御研究所の畠山昌則教授

らのチームによる研究で、明らかになってきた。「ヘリコバクター・ピロリ」(以下、ピロリ菌)

名前こそ可愛いが、じつはとんでもない細菌だ。胃の中に生息し、世界で30億人、つまり2人に1人

が感染しているといわれる。衛生状態の良い日本では、多くは幼児期に母親が食べ物を咀嚼して与

えることで感染すると考えられ、胃の中で数十年間生き続ける。 胃の中の胃酸は空腹時には10円

玉を溶かすほどの強い酸性であるため、「生物が生きられるはずがない」というのが長年の常識だ

った。その常識を覆す形で1983年、オーストラリアの大学教授が胃の中からピロリ菌を発見。発見

者の2人は2005年のノーベル生理学・医学賞を受賞している。ピロリ菌は、胃炎や胃・十二指腸潰

瘍の原因であることがわかっている。ところが2000年ごろから、ピロリ菌は胃がんの発症とも関係

が疑われるようになった。01年に発表された大規模な疫学調査では、ピロリ菌に感染していない人

はほとんど胃がんにならないことが明らかになり、ピロリ菌と胃がん発症とは何らかの関係がある

ことが決定的になった。 畠山教授らの研究により、胃に棲(す)みついたピロリ菌が、驚くべき

方法でCagAタンパク質をヒトの細胞に組み入れることが明らかになった。ピロリ菌は30種類のタン

パク質を組み合わせて細長い「注射針」を形成し、CagAタンパク質を胃の上皮細胞に注入する。 

注入された病原性のCagAタンパク質は、胃の細胞内で、あたかもヒトのタンパク質のように振る舞

い、「SHP−2」というタンパク質と結合する。SHP−2は細胞の増殖を促進する酵素を持つのだが、

CagAタンパク質と結合することで細胞の増殖シグナルを発しがんタンパク質を活性化させてしまう。

すべてのピロリ菌が病原性のCagAタンパク質を作るcagA遺伝子を持っているわけではない。欧米人

に感染するピロリ菌のうち、4割はcagA遺伝子のない「善玉ピロリ菌」で、6割がcagA遺伝子を持つ

「悪玉ピロリ菌」。 日本人に感染するピロリ菌は、ほぼすべてが「悪玉」だったのだ。 胃がん

大国ニッポン。発症メカニズムが明らかにされつつある今、社会全体で「胃がん予防」に取り組む

べき時だろう。(読売ウイークリー2008年4月27日号より)

長文の引用になってしまったが、どうだろうか?上記の対策については、私を含めた日々の講義を

傾聴していただきたい。管理栄養士の役割の重大さがわかると思う(^_^)ノ""   2008.4.16

  

 かなり前に「鳥ハム」の作り方をアップしたが、その後何もなかったので久々に一つ、刺身サラダの

作り方等を参考迄に。。これは、次女がバイトしていた所で仕入れたレシピ。刺身は、私はサーモン等を

使うが、何でも良いようだ。必須材料は、刺身とレタスと水さらしタマネギとレモンのぶつ切りだが、レ

モンのぶつ切りは、柑橘類の皮ならば何でも代用可能だし、ほかにパプリカとかキューリなどがあったら

なお結構♪♪

1刺身適量を短冊に切っておく

2レタスと水さらしタマネギを適量適当に切っておく

3レモンのぶつ切りを適量、以上の食材の量などは全て好み、アバウトで結構

4上記のモノを大皿等に盛り付け、ボン酢をふりかけ適当にあえる  以上でできあがり!

極めて簡単だが、柑橘類の皮の苦さとボン酢が効いた逸品。ぜひどうぞ(^o^)/~~     2008.2.24

  

 中途半端な運動はダイエットにつながらないどころか、かえって太ってしまう恐れも――。ぐうたらな

人には気になる研究結果を、米ローレンス・バークリー国立研究所が専門誌に発表した。同研究所のポー

ル・ウィリアムズ氏は、数千人の男女の走る習慣と体重を7年以上にわたり追跡した記録を分析した。

その結果、1週間に数キロしか走らない人が走るのをやめたときに増える体重は、同じ距離を走っていた

ときに減る体重を上回っていた。また、走る距離を短くしたときの体重増は、たくさん走る人の4倍に達

していた。氏は「運動をやめたときのしっぺ返しは、これまで考えられていたより大きい。米国で肥満が

増えている理由の一つかもしれない」と、規則的に継続して運動することを強くすすめている。やはり、

継続は力なり!ということのようだ(^_^)ノ""               2008年02月13日朝日新聞

  

 相次ぐ食品表示の偽装などの再発防止に向け、政府は12月17日、生活安心プロジェクト関係閣僚会議を

開き、国民生活の安心にかかわる61項目の緊急施策を決めた。食品の不正表示を取り締まる特別Gメンを

2008年度に農林水産省に新設。食品の品質表示基準を改め、業者同士が取引する原材料も中身の表示を義

務付ける。訪問販売の規制対象を広げるため、来年の通常国会で法改正する方針も盛り込んだ。

 施策は(1)食べる(2)働く(3)作る(4)守る(5)暮らす――の5分野で、すぐできる対策を列挙した。

いよいよ「食品衛生管理者任用資格」の出番である。管理栄養士は、国家試験に合格しないとなれないが

前者は大半の学生が取得して卒業する。ガンバ(^_^)ノ""                2007.12.17

  

「管理栄養士養成施設協会」のことは、ここでも何回か触れたが、その月刊誌に下記の拙文が掲載された

ので、ちょっと紹介してみたい。                           2007.12.7

想い(いのちとは?生きるとは?)

 アントワーヌ・ラボアジエ(1743-1794)は「近代化学の父」と呼ばれている。彼は数々の燃焼の実験に

よって、ギリシャ以来の「四元素説」を打ち破った他、化学反応における「質量保存の法則」を確立し、

燃焼が実は酸化反応に他ならないことを初めて証明した。しかし彼は同時に税金の徴収をしていたため、フ

ランス革命のときにとらわれ、ギロチンにかけられて殺された。彼の友人は「彼の頭を打ち落とすにはほん

のわずかな時間しか必要でなかった。しかし、これと同じ頭脳を生み出すには100年以上を必要とするで

あろう」と言って悲しんだという。

 唐突に、このようなことを書いたのは、半年程前に、現在の栄養士会会長である中村丁次氏が長崎栄養士

会に挨拶に見えた時の言葉が印象に残ったからである。挨拶の骨子は二つ。現在の栄養学は、「栄養素が体

内で燃える」ことをラボアジエが提唱したことに始まる、ということと、牛が何故草だけを食べてあの巨体

を維持して生きてゆけるのか?の二つであったかと思う。前者は、説明を要さないと思うが、後者を若干補

足すると、牛が普通に食べる量の草には、あの巨体を維持するだけのタンパク質は含まれていないが、牛は

腸内の何百兆もの腸内細菌が草のセルロースをセルラーゼによって分解したものを利用しており、その多く

の腸内細菌が空気中の窒素をタンパク固定した細菌そのものを腸内で資化利用しているからである。そして

ヒトにはそのような「完全食」が神様から与えられなかったために、一日30品目のアイテムを食べる必要が

あるのだ、というようなことであったと記憶している。

 学生の「マニュアル世代」という言葉も言い古されていながら、益々その傾向が顕著になってくるし、無

気力・無感動・無関心といった傾向も、昔の三無主義の時代に無責任を加えて四無主義!になってきた気さ

えしている。しかし、食品表示や食品衛生行政あるいは政治そのもの、そして大人社会が、だんだん信頼を

失いつつあるのも現状ではないか。

 一方で、栄養学あるいは栄養士,管理栄養士の社会的ステータスが,実態よりも低く見られがちだとすれ

ば、やはり栄養に携わる我々個々が、上記のことをしっかりと踏まえ、生命とは代謝であり、代謝とは栄養

素取り込みとその化学変化なのである、ということを,社会あるいは学生に対して啓蒙してゆくことが重要

なのではなかろうか。栄養学が果たす役割,使命は、益々重いのではないかと思う。混沌とした,先の見え

ない時代であればあるほど、いのちとは?生きるとは?という「栄養学」の出番なのだと心得たいものであ

る。加えて、医食同源というものを根本から考えて行く必要があるのではないか、と自戒を込めて、我田引

水で申しあげたかった次第である。

  

●豆腐や納豆、みそなどの大豆製品をよく食べる女性は、脳梗塞や心筋梗塞になりにくいことが厚生労働省

研究班の大規模追跡調査で分かった。 閉経後の女性に特に効果があるという。 大豆に含まれる複数成分

の効果に加え、一緒に野菜や海藻などを食べる献立になりやすいためらしい。27日発行の米医学誌「サー

キュレーション」に掲載された。研究班は、40?59歳で心臓病やがんにかかっていない男女計40462人(男女

比1対1)を対象に、90?02年の13年間、健康状態を追跡した。そのデータを基に、大豆製品を1日に食べ

る量別に5群に分けて脳梗塞と心筋梗塞の発症率との関係を分析した。その結果、一番よく食べる群の女性

は、脳梗塞や心筋梗塞になる危険性が、一番食べない群の女性に比べ0.39倍と低かった。さらに、女性の半

数を占める閉経後の人に対象を絞ると、危険性が0.25倍と大幅に低くなった。男性では、食べる人も食べな

い人も差がなかった。一番よく食べる群が1日に食べる大豆製品の量は、納豆を1パックまたは豆腐3分の

1丁程度。大豆は、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを多く含む。ビタミンEなども豊富だ。

分析した国立循環器病センター(大阪府吹田市)の小久保喜弘医長は「単体の成分ではなく、複数の成分が

効いているとみられる。また、みそ汁には、野菜などいろんな具材を入れるなど、大豆製品を食べる時の食

習慣が総合的に好影響を与えている」とみている。 2007.11.29.朝日

以前、同じ厚生労働省の発表で、納豆はイソフラボン含有量が多く、一日2パック程度にしないとかえって

弊害が出る!とやったことがあり、関連業界から大ブーイングが出たことがあったが、今度は逆だな。

さて、真偽のほどは?いずれにしても、しばらくは静観が必要で、必要以上に過信してもいけないし、無視

する訳にもゆかない。情報収集とは、そういうものだと思う。               2007.11.30

  

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