管理栄養士国家試験対策講座(第10回国家試験)

176 次の甘味料のうち、アミノ酸を原料にして合成され、食品添加物として用いられているのはどれか。

(1)異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)       (2)ソルビット(ソルビトール)          (3)アスパルテーム

(4)ステビオサイド                 (5)グリチルリチン

  

177 次は、微生物利用加工食品の製造における主要原料、主要微生物、製品(加工食品)の関係を示したものである。誤っているのはどれか

(1) 大麦―――酵母――ビール

(2) 精白米――細菌――甘酒

(3) 酒粕―――細菌――食酢

(4) かつお――かび――かつおぶし

(5) ぶどう――酵母――ワイン

以上、2007.3.8更新

  

174 魚肉の鮮度についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 魚は死ぬと、グリコーゲンが分解され、乳酸が生成蓄積して、筋肉のpHが低下する。極限pHは、赤身の魚肉の方が白身の魚肉より低い。

(2) 魚肉のpHが低下すると、魚肉中のATPの酵素分解が速やかに進み、死後硬直が促進される。

(3) 死後硬直期までにATPは分解されて、魚肉の旨味成分のイノシン酸(IMP)となる。硬直期の魚肉はIMPを蓄積して、旨味がすぐれ、刺身によい。

(4) 硬直期がすぎると、組織内のカテプシン作用によって自己消化が起こる。たんぱく質の分解によって低分子成分が生産し、微生物の繁殖に好適な状態になる。

(5) 魚肉の鮮度を測定する方法として、遊離アミノ酸量を用いて示す方法がある。

  

175 次の食用油脂のうち、ヨウ素値の最も低いのはどれか。

(1)大豆油       (2)とうもろこし油        (3)ごま油        (4)米糠油       (5)ラード

以上、2007.3.5更新

  

172 鶏卵についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 全卵を摂氏65度前後に保つと卵黄が凝固し、卵白はやや流動性を失った半流動体の卵が得られる。

(2) 卵白はpH2.2以下またはpH12.0以上でゲル化する。ピータンはアルカリによるゲル化を利用した卵製品である。

(3) 卵黄の脂質のほとんどはリポたんぱく質として存在する。中性脂質の大部分はトリグリセリドで主な構成脂肪酸はパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸である。

(4) 卵白中に11〜14%含まれているオボムコイドは20-25%の糖を含む糖たんぱく質で、鉄を結合する特性をもち、加熱によって凝固する。

(5) 卵白の主要たんぱく質はオボアルブミンで摂氏60度の加熱で凝固し、アルコールでも凝固する。0-2個のリン酸基と1本の糖鎖をもっている。

  

173 鶏卵の保存性および鮮度についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 鶏卵は産卵後の時間の経過とともに炭酸ガスの発散により卵白のpHは急速に低下し、濃厚卵白は水様化し卵黄膜の強度は低下する。

(2) 産卵直後の卵の内容物は無菌状態に近いうえに、卵には微生物の侵入および増殖に抵抗する機構が備わっているので保存性がよい。

(3) 卵白中に存在するリゾチーム、オボトランスフェリン、オボムコイド、アビジンなどは抗菌作用物質である。

(4) 卵の鮮度が低下して濃厚卵白が水様化するとカラザは脆弱化されるので卵白は卵黄を卵の中央に保持できなくなり卵黄は卵殻膜に密着して腐敗しやすい。

(5) 卵の品質を表す数値としてハウ単位が用いられているが、この数値は卵重量と平板上に流した濃厚卵白の高さとの関係で算出される。

以上、2007.3.3更新

  

170 食肉についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 新鮮な食肉の色はその中に含まれているミオグロビンによるもので、色の濃い牛肉では色の淡い豚肉よりもミオグロビンの含量が高い。

(2) 食肉を加熱した時に見られる褐変は主としてミオグロビンが褐色のメトミオグロビンに変化するためである。

(3) 新鮮な生肉の切り口はミオグロビンの暗赤色を呈し、その時のヘム色素の鉄は二価の状態である。

(4) 生肉の切り口は空気に触れると容易に酸素が結合して鮮赤色のオキシミオグロビンとなり、ヘム色素の鉄は三価の状態となる。

(5) 生肉の切り口は長時間放置するとメトミオグロビンを生成するようになる。

  

171 牛乳についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 牛乳の脂質は脂肪球膜に包まれた球状で牛乳中に乳化分散しているので牛乳の色は乳白色をしている。脂肪球の主成分はトリグリセリドである。

(2) 牛乳には約0.7%の無機質が含まれており、カルシウムのすぐれた供給源であるが、鉄が少ないのが欠点である。

(3) 乳たんぱく質の75〜85%を占めるカゼインにはαs-、β-、κ-、およびγ-があるが、キモシン(レンニン)の作用で凝固するのはγ-カゼインの分解による。

(4) β-ラクトグロブリンは乳清たんぱく質の約半分を占め、牛乳ではシスチンを含む唯一のたんぱく質で-S-S-結合を有する。

(5) 牛乳中に約4.5%含まれる乳糖は、ガラクトースとグルコースがβ-1,4結合した二糖類である。

以上、2007.3.2更新

  

168 食品の官能検査についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 2個の試料を比較するとき、試食の順番によっていずれかを過大評価することを順序効果という。

(2) 2つの刺激が同時に存在するとき、一方の刺激がとくに強く感知されることをマスキングという。

(3) 刺激の連続または継続によって感覚による判断が低下する。これを疲労順応効果という。

(4) 官能検査は人間の主観に頼るが、検査条件を一定にすれば再現性は得られる。

(5) 感覚を引き起こすのに必要な最小の刺激濃度を閾値という。

  

169 ショ糖についての記述である。誤っているものの組合せはどれか。

a ブドウ糖と果糖からなる二糖類である。   

b 還元性を示すので、それを利用して定量することができる。

c α型とβ型があり、それぞれ味度が異なる。 

d 甘味は少量の食塩によって強められる。

e 水分活性を低下させる働きをもつ。

 (1)aとb      (2)aとc      (3)bとc      (4)bとd      (5)cとe

以上、2007.2.28更新

  

166 食品成分の変化についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) ビタミンB2は強い光増感作用があるため、ビタミンB2含有食品は日光照射によって変質しやすい。

(2) 肉の腐敗臭はたんぱく質の分解によってできるカルボニル類による。

(3) ビタミンB1は水道水の殺菌に用いられる塩素によって分解されやすい。

(4) 大豆油の色もどりは、トコフェロールの酸化物ができるためである。

(5) 生野菜、果実の損傷による褐変は、ポリフェノール成分の酵素的酸化によってできるキノン類の重合反応による。

  

167 食品の物性についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) エマルションの安定性はコロイド粒子の径が小さいほど増す。

(2) チキソトロピーを示す食品は、かく拌すると流動性が低下する。

(3) ジャガイモデンプンを少量の水でペースト状にして、これを手で強くつかむと、瞬時に表面の水が内部に吸い込まれて、もろい固体となって割れる。この現象をダイラタンシーという。

(4) 濃厚なコロイド分散系や高分子溶液から成る液状食品は、非ニュートン流体としての性質を示す。

(5) 一定のずり応力によってはじめて流動性を示すマヨネーズ、トマトピューレなどの性質を塑性流動という。

以上、2007.2.26更新

  

164 油脂の自動酸化についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) ある程度以下に水分活性を下げると自動酸化が起こりやすくなる。

(2) エステル結合型脂肪酸は遊離脂肪酸よりも自動酸化が早くすすむ。

(3) 動物脂肪<植物油<魚油の順で自動酸化が早くすすむ。

(4) 一般に食用油に色素が混入していると光による自動酸化が早くすすむ。

(5) 食品を凍結しても脂質成分の自動酸化はすすむ。

  

165 食品の品質変化と温度の関係に関する記述である。誤っているのはどれか。

(1) 生鮮食品の酵素的変化は、一般に摂氏10度の温度上昇で2倍程度早くすすむ。

(2) 糊化デンプンの老化は低温においておくほど早く進むが、凍結すると止まる。

(3) 脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンよりも、熱によって分解されやすい。

(4) アミノ・カルボニル反応による食品の褐変は、低温保存で抑制される。

(5) 砂糖を加熱したとき発生するカラメル臭は、糖の脱水分解物によるものである。

以上、2007.2.23更新

  

162 次は、食品の旨味成分を示している。緑茶(玉露、抹茶など)の旨味成分といわれているのはどれか。

(1)グルタミン酸モノナトリウム      (2)イノシン酸                      (3)グアニル酸    

(4)コハク酸                 (5)グルタミン酸エチルアミド(テアニン)

  

163 食品の臭気成分についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) ギ酸エチル、酢酸イソアミル―――エステル酸

(2) レンチオニン、アセトイン――――アミン類

(3) シトラール、ヌートカトン――――テルペン類

(4) メチルメルカプタン、アリシン――含硫化合物

(5) ヘキセナール、フルフラール―――カルボニル化合物

以上、2007.2.21更新

  

 とうとう、10回目の国家試験、1996年まで遡った。このあたりまでくると、やるべきなのか?

やらざるべきか?ここ10年の問題を繰り返し!やるべきか?悩んでくるかな...   2007.2.19

  

160 食品の色素についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) クロロフィルにはマグネシウムが含まれている。

(2) カロチノイド系色素は一般に水に溶けない。

(3) フラボノイド系色素は配糖体になっているものが多い。

(4) さけ・ます類の肉の赤色は主にアスタキサンチンによる。

(5) メラニンはメイラード反応によって生成する色素である。

  

161 味についての記述である。誤っているのはどれか。

(1) 酸味は、酸性物質が解離して生ずる水素イオンが引き起こす味覚である。

(2) 辛味は、口腔内で感じる一種の痛覚であり、基本味とは区別される。

(3) アミノ酸の味覚は、天然型のL-型でも非天然型のD-型でも変わらない。

(4) チーズの苦味は、カゼインの酵素分解の際に生成する苦味ペプチドによる。

(5) ミラクリンは、酸味を味わうと甘く感じさせる味覚変革物質である。

以上、2007.2.19更新

  

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