佐藤新大臣辞任に思うこと

 佐藤総務庁長官が辞任するようだ。当然と言えば当然。

中曽根元総理のご意向ごり押しで誕生した新大臣だが、

決定したのはあくまで橋本現総理。自民党の体質が全く

変わっていないことの現れだろう。リンリリンリと鈴虫

のように!という元総理の言葉を思い出す。そもそも、

佐藤氏は小選挙区の信任を受けていない。二重選挙のか

らくりで救われた国会議員である。よくも、ああまで強

気になれるものと改めて自民党議員のおごりを見る思い

である。民主政治のお手本となった欧米を見るに、有罪

判決を下された政治家の復権など殆ど例がないという。

米国など、セクハラやちょっとしたスキャンダル一つで

もあれば浮上できない。かたや日本、一国民がいったん

有罪判決を受けた場合、社会的な制裁は非常に厳しいが、

政治家はこれが非常に甘い。ミソギと称して、一度選挙

に勝てば良いらしい。まして今回は、選挙に負けてなお

良いということにしてしまおうとしたのだから、これは

到底許されるものではないだろう。共和国の大統領のよ

うに、国政選挙で一国の元首を決める制度が本当は良い

と思うが、せめて小選挙区のからくりだけはやめて欲し

い。

1997.9.25掲載