大舞台に弱い日本人だが?

 高校野球が開催されており、残念ながら長崎は敗退し

九州勢では沖縄県のみとなっているが(十九日)、イン

タビューを聞いていると、最近の若者気質がかいま見え

て面白い。誰が言ったかは定かでないが、曰く「このバ

ットで今後もがんがん決めたい」あるいは、「そんな大

したことは考えてません。ただ、完封と奪三振十個を今

後もとってゆきたい」など、非常に強気。とりようでは、

非常に生意気にも感じるが、これで良いのだろう。概し

て、日本人は大舞台に弱い。オリンピックしかり、また

日常の我々自身を考えても、すぐにあがったり、失敗し

た時のことばかりを考えるものだ。しかし、最近の若者

は図太いというのか、オリンピックに参加するときにも、

「楽しんできたい」といった発言が賛否両論あったよう

に気配りがない反面、鷹揚である。結果が必ずしも伴わ

ないのは残念だが、あたかも修行者のように「頑張りま

す」「精いっぱいやります」の繰り返しよりも、いわゆ

るプレッシャーがかかりにくいメンタルコントロールも

できるだろう。また、観客側でも、過剰期待するが故の

失望をあらわにしない等の態度・度量の大きさも、こと

スポーツに限らず大事ではないかと思う。

1997.8.28掲載